アーチコラム スネの内側が痛くなる女子サッカー選手へ
スネの内側が痛くなる女子サッカー選手へ
スポーツラボ滝ノ水院で勤務している伊藤です。
私は高校生の女子サッカー部にトレーナーとしても帯同しています。
今回はそんなサッカー部の選手がよく悩んでいた シンスプリント について改善の糸口をお伝えします。
目次
①シンスプリントとは?
脛骨過労性骨膜炎というスポーツ障害のひとつで使いすぎによって、すねに付着する筋肉が骨膜を引っ張り、疲労が蓄積し、炎症が起こっている状態です。
すねの前外側または後内側に鈍痛が出現し、押しても痛みます。
シンスプリントは、一度の衝撃で 負傷することは少なく 度重なるジャンプ動作やランニングなど 積み重なったストレスで起こります。
走る衝撃が長くかかる長距離選手から 新入生で部活を始めてから数ヶ月の選手にも シンスプリントは発生しやすいです。
この場合、痛みがあるからと少し休養しただけでは、根本的に原因が解決されているわけではないため、プレーを再開したら再発してしまいます。
痛みを繰り返していたり、ずっと放置していたりすると、すねの内側に膨らみができてしまったり、疲労骨折のリスクとなってしまったりすることもあります。
※疲労骨折は、度重なる疲労の蓄積によって骨膜だけでなく骨本体にまで傷がついてしまっている状態です
②痛みの場所とサッカー選手に起こる原因
シンスプリントは度重なるストレスによって起こりやすいのですが、扁平足である場合に起こる可能性が高まります。
扁平足ですと土踏まずの部分が少なく、内側のアーチが下がります。
歩いたり走ったりと衝撃が加わると足の内側で土踏まずをつくっている筋肉には、引き伸ばされるストレスが加わります。
この土踏まずをつくっている筋肉はすねの内側~足の内側にあるため、ダメージの蓄積でシンスプリントになります。
疲労骨折が起こるリスクにもなるシンスプリントですが、競技や動作によっても痛みの場所(負担がかかっている場所)が変わります。
サッカーで例えると キーパーや競り合うことの多い選手はジャンプ動作が多くなるため
すねの中央付近
に痛みが出やすいです。
フィールドで走ることが多い選手は
すねの下側
に痛みが出やすいです。
こちらのパターンで起こる疲労骨折は、すねの上側にも起きることがあります。
③女性アスリートに起こる原因とリスク
シンスプリントやシンスプリントからの疲労骨折は、中高生の女性アスリートに多いです。
多い要因としては
①成長期、ホルモンバランスの変化にエネルギー量が足りていないため
成長期の骨が未完成な状態の時なのでダメージを受けて起きやすいのですが、それ以外に食事などからのエネルギーが不足していることもリスクになります。
エネルギー不足ですと、身体や生きるために必要不可欠な臓器を動かすエネルギーに優先して供給されるため、骨へのエネルギー供給が少なくなります。
さらに、骨が弱くならないように守る役割の女性ホルモンの分泌が、エネルギー不足によって少なくなるため骨も弱くなってしまいます。
②ヒラメ筋というふくらはぎの筋肉が、男性よりもすねの内側の骨に付着している部分が多いため
付着している部分が多いとその分、度重なるストレスで骨膜や筋膜が引っ張られやすくなります。
そのため、シンスプリントからの疲労骨折が起きやすい傾向にあります。
④改善のためのケア方法
①ふくらはぎのリリース
テニスボールやフォームローラーを使用します。
ふくらはぎにボールを当て、反対側の足を上にのせて前後に動かしてほぐします。
これを1分間行いましょう
②足裏のリリース
ゴルフボールを使用します。
足の裏にゴルフボールを置き、痛気持ちいいくらいに体重をかけて
カカトから指の方にかけてまんべんなくほぐしましょう。
こちらも1分間行います。
③すねのリリース
ローラーを使用します。
膝立ちの形でローラーをすねに当てて、前後にほぐします。
1分間行います。
④皮ふを動かしましょう
ほぐれましたら、ふくらはぎをつかみ
前から内側へひねります。
一番ストレスのかかる内側の筋肉や筋膜が張ってしまう時は
すねも外側にねじれることが多いです。
そうなると動きも出にくくなるため、すねの内側に皮ふを集めるイメージです。
これを20回行ってください。
⑤体重やBMIでエネルギーが不足していないかチェックしてみてください!
A身長をmで出す
B身長(m)を二乗
C体重(kg)÷B
女性アスリートは18.5未満だと、エネルギーが不足している可能性があります!
⑤まとめ
痛みが出てしまってるときは、すでに疲労が蓄積している状態です。
今回ご紹介したケア方法も有効ですが、また練習を積み重ねると痛みは起こりやすいです。
そのため、扁平足や足首の硬さ、姿勢、靴やインソールなどの根本的な原因を改善する必要があります。
大事な試合が迫ってから何とかするのではなく
少しでも違和感やお心当たりがありましたら、早めに改善・予防を行うことで
試合に出られなかったり、痛みでジャンプできず点を取られてしまうなど悔しい結果も防ぐとこができるかもしれません。
私たちは大事な瞬間に全力で輝けるようサポートします。
いつでもご相談ください。
スポーツラボ鍼整骨院 滝ノ水
柔道整復師
伊藤 由貴