アーチコラム 酷暑のスポーツで気を付けたい!パフォーマンスを守る正しい水分補給とは??
こんにちは!
静岡県袋井市にあります、
アスリート鍼灸整骨院に勤めている吉野です。
今回は『水分補給』について深掘りしていこうと思います。
近年は酷暑と呼ばれるほど気温が高く、スポーツをする人にとって熱中症や脱水症はとても身近なリスクとなってます。
飲むタイミングや飲み物の選び方によっては、十分な水分補給ができていないことも少なくありません。
暑い季節でも安全にスポーツを楽しむために知っておきたい、水分補給のポイントについて皆さんに知っていただきたい内容となっています。
~ 目次~
①脱水が体に与える影響
私たちの身体の約60%は水分でできており、体温調節や血液循環、筋肉の働きなど、さまざまな機能を維持するために欠かせない役割を担っています。スポーツ中は汗をかくことで体内の水分やナトリウムなどの電解質が失われますが、十分に補給できない状態が続くと「脱水」の状態になります。
脱水が進むと、体温をうまく下げられなくなり、心拍数の増加や疲労感、集中力の低下が起こります。さらに、筋肉への血流が低下することで筋力や持久力が落ち、思うようなパフォーマンスを発揮できなくなるだけでなく、判断力の低下によるケガのリスクも高まります。
一般的に、体重の約2%の水分を失うだけでも持久力や集中力が低下するとされており、さらに脱水が進むと筋けいれんや熱中症を引き起こす危険性が高まります。例えば体重50kgの人であれば、約1Lの水分を失った状態で運動能力への影響が現れ始めると考えられています。
また、汗とともに失われるのは水分だけではありません。ナトリウムなどの電解質も失われるため、水だけを大量に飲むと体液のバランスが崩れることがあります。暑い環境で長時間スポーツを行う場合には、水分だけでなく電解質も適切に補給することが、熱中症予防やパフォーマンス維持につながります。

②効果的な水分補給のポイント
スポーツ中の水分補給は、「喉が渇いたら飲む」のではなく、喉が渇く前からこまめに補給することが大切です。喉の渇きを感じた時点で、すでに軽度の脱水が始まっている可能性があります。
運動前は、開始30分〜1時間前を目安に250〜500mL程度の水分を摂っておくと、脱水予防につながります。運動中は一度に大量に飲むのではなく、15〜20分ごとに150〜250mL程度を目安に、少量ずつこまめに補給しましょう。運動後も汗で失った水分を補うことが重要で、体重減少を目安に十分な水分を補給することが推奨されています。

また、運動時間や発汗量に応じて飲み物を選ぶこともポイントです。短時間の運動や日常生活では水や麦茶で十分な場合が多いですが、1時間以上の運動や大量に汗をかく場合は、ナトリウムや糖質を含むスポーツドリンクが適しています。 一方、経口補水液は脱水状態や熱中症時の水分・電解質補給を目的とした飲み物であり、日常的な水分補給として飲むものではありません。
暑い季節は「何を飲むか」だけでなく、「いつ・どれくらい飲むか」を意識することで、熱中症予防だけでなく、パフォーマンスの維持やケガの予防にもつながります。
③スポーツドリンクは薄めて飲むべき?
「甘いから」「飲みやすくしたい」とスポーツドリンクを水で薄める方もいますが、基本的にはおすすめできません。
スポーツドリンクは、運動中に失われる水分・糖質・ナトリウムなどを効率よく補給できるよう、成分の濃度が調整されています。
薄めてしまうと、それらのバランスが崩れ、本来の吸収効率が十分に発揮されない可能性があります。特に大量に汗をかく夏場や長時間の運動では、表示どおりの濃度で飲むことが推奨されます。一方で、短時間の運動や日常生活では、水や麦茶を基本とし、運動量に応じてスポーツドリンクを使い分けることが大切です。
④経口補水液の注意点
経口補水液は、脱水症状や熱中症が疑われる際に、水分とナトリウムなどの電解質を効率よく補給するための飲み物です。
一方で、日常的な水分補給として飲み続けることはおすすめできません。
経口補水液は水やスポーツドリンクよりも塩分や糖分を多く含んでいるため、必要のない場面で習慣的に飲むと、塩分や糖分の過剰摂取につながる可能性があります。
特に高血圧や腎疾患、糖尿病などで食事制限がある方は注意が必要です。普段の水分補給は水や麦茶を基本とし、脱水時や大量に汗をかいた場合など、必要な場面で適切に活用しましょう。

⑤まとめ
酷暑の中でスポーツを安全に楽しむためには、「喉が渇いてから飲む」のではなく、運動前・運動中・運動後に計画的な水分補給を行うことが大切です。また、運動量や発汗量に応じて、水・スポーツドリンク・経口補水液を適切に使い分けることも重要なポイントです。特に経口補水液は、脱水時に効果を発揮する一方で、日常的な水分補給には適していません。正しい知識を身につけて実践することで、熱中症予防だけでなく、パフォーマンスの維持やケガの予防にもつながります。暑さに負けず、安全にスポーツを楽しみましょう。

~参考文献~
1.日本スポーツ協会.『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック(第6版)』
2.環境省.『熱中症環境保健マニュアル ~総論~(2025年7月版)』
3.American College of Sports Medicine. Exercise and Fluid Replacement. Medicine & Science in Sports & Exercise. 2007







