アーチコラム 袋井市で運動・スポーツをしていて胸椎と肩甲骨の可動域を上げたい方
こんにちは。
私は袋井市大門にあるアスリート鍼灸整骨院で勤務している加藤 真大です。
今回は胸椎と肩甲骨の連動がスポーツにどのような影響を及ぼすのか、お伝えしたいと思います。
はじめに、スポーツにおいてパフォーマンスを上げるためには、筋力やスピードだけでなく、身体の各部位がスムーズに連動して動く「運動連鎖」が非常に重要です。その中でも、体幹の中心を担う「胸椎」の可動性は、運動をするのに当たっての効率・パワーの発揮・ケガの予防に密接に関わっています。
特に見逃してはならないのが、「胸椎」と「肩甲骨」の関係性です。胸椎の動きが悪くなると、肩甲骨の可動域も制限され、肩や腕の動作に大きな影響を及ぼします。逆に胸椎と肩甲骨の連動が行えるようになれば、身体の動きは格段に滑らかになり、スポーツの質が向上します。
目次
①胸椎とは何か?
胸椎とは、背骨の中央部分に位置する12個の椎骨の総称で、頸椎と腰椎の間にあり、肋骨とつながって胸郭を形成しています。胸椎は本来、「回旋(ひねり)」「屈曲(前かがみ)」「伸展(反り)」といった多方向の動きが可能な構造を持っています。
しかしデスクワークなどの姿勢の変化により、猫背・巻き肩の姿勢が定着しています。そして胸椎の柔軟性や可動域が著しく低下しているケースが非常に多く見られます。胸椎の動きが制限されると、上半身全体のパフォーマンスにも大きな制限がかかります。
②胸椎と肩甲骨の連動性
胸椎と肩甲骨は、解剖学的にも機能的にも密接に関係しています。肩甲骨は肋骨の上に乗るように配置されており、胸椎と肋骨の動きが連動してこそ、肩甲骨は本来の機能を果たせるようになります。
たとえば、
・テニスのサーブ
・バレーのスパイクやブロック
・ピッチャーの投球動作
のような、肩関節を大きく使う動作では、実は肩甲骨の「上に開く上方回旋」「内による内転」など複雑な動きが必要です。このとき、胸椎がしっかり後ろに反り・回旋できる状態でないと、肩甲骨は本来の可動性を発揮できず、結果として肩関節や肘関節に過剰な負担がかかってしまいます。
つまり胸椎と肩甲骨は「連動して動くパートナー」のような関係であり、胸椎の可動域が上がれば、それに応じて肩甲骨もスムーズに動けるようになり、結果的に腕や手先のパフォーマンスも向上するというわけです。
③胸椎の可動性が低下するとどうなるか?
胸椎の可動性が失われると、以下のような悪影響が出る可能性があります。
・肩こり、肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
・腰痛(胸椎の代償で腰椎が動くため)
・スポーツ中のフォーム不良、タイミングのズレ
・パワー発揮の効率低下
特にスポーツにおいては「パフォーマンスの天井」が決まってしまう要因にもなり得ます。身体がどれだけ鍛えられていても、連動性が失われていれば、その力を効率よく発揮することは難しいのです。
➃可動域を広げる具体的な方法
胸椎の可動性を高めるには、「エクササイズ」と「姿勢の見直し」、そして「肩甲骨との連動トレーニング」の3点からアプローチするのが効果的です。
(1)胸椎の動きを出すためのトレーニング
・キャット&ドッグ
四つ這い姿勢で背中を丸めたり反らせたりする基本的なエクササイズ。骨盤の前傾後傾・胸椎の屈曲と伸展に効果があります。
・胸椎回旋
横向きに寝た状態で顔と腕を後方へ動かします。胸椎の回旋動作を意識的に出せる良いエクササイズです。
※後ろへ回旋した時に膝が浮かないように
・グリッドを使った胸椎伸展
グリッドを肩甲骨の下に当て、仰向けで背中を反らせます。反りにくい部分を探しながら少しずつ調整しましょう。
(2)肩甲骨の動きを引き出す運動
・ストレッチポール
上向きに寝た状態で腕を上げ下げします。
※腕を上げた時に肋骨が上へ浮かないように腹筋に力をいれます
・ダンベルフライ
上向きでストレッチポールに寝て重りを上から下に下げて行きます。
肩甲骨を内へ寄せるように意識すると、より動きが出せるようになります。
※ストレッチポールと同様にダンベルを下げた時に肋骨が上へ浮かないように
⑤胸椎の可動性が上がると
胸椎がしっかり動くようになると、肩甲骨の可動性が引き出され、腕の動きや上半身の回旋も大きくスムーズになります。
これにより、次のようなパフォーマンスの獲得ができます。
・スイングや投球動作のダイナミックさが増す
・フォームが安定し、ブレにくくなる
・ケガの予防につながる
・下半身の力を上半身にスムーズに伝達できる
スポーツにおいて「動きの質」が上がるということは、トレーニングの成果が正しく発揮されるということでもあります。見えないところのコンディションこそ、真のパフォーマンス向上に直結しているのです。
胸椎と肩甲骨は、スポーツ動作の中で重要な「動きの(中継点)」です。この部位の連動性を高めることは、技術や筋力に頼らず、根本的にパフォーマンスの土台を作ることにつながります。
もし最近フォームが安定しない、肩周りが重たい、スイングが小さく感じる、そんな感覚があるなら、まずは胸椎の可動域と肩甲骨の動きを見直してみましょう。体幹の中心から動きが変われば、運動・スポーツそのものが変わります。
これから運動・スポーツを始める方やレベルを上げていきたい方はアスリート鍼灸整骨院までご連絡ください。
静岡県袋井市大門17-5
アスリート鍼灸整骨院 袋井
0537-44-252
柔道整復師 加藤 真大