アーチコラム 姿勢が悪いとよく言われ、首、肩こりがひどいと感じる方へ
こんにちは
静岡県袋井市のアスリート鍼灸整骨院に勤務している西島です。
私は鍼灸師とアスレティックトレーナーの資格を持ち、日々、学生アスリートや一般の方たちに治療、リハビリ、トレーニング指導を行っております。
今回は姿勢からくる首、肩こりについてお話していきます。
普段、整骨院で勤務していて主訴とは別に首、肩こりで悩んでいる方が多いと感じたため今回コラムを書かせていただきます。
しかも悩んでいる方は大人の方だけではなく、小学生にもいます。
そんな幅広い年代で悩みが多い首、肩こりについて考えていきましょう。
今回は特に私が臨床の場で見ることが多い2パターンをご紹介します。
目次
①首の構造
そもそも首の構造として頭の骨の下に頸椎と呼ばれる7つの椎骨があります。
これは通常、軽度の前弯(S字カーブ)になっています。
このカーブがあることによって頭の重さや重力を分散させています。
この構造が変わってしまうと首の痛みや肩こりにつながりやすくなります。
②姿勢からくる首、肩こり 前方突出パターン
みなさんが姿勢が悪いなと思う代表的なパターンだと思います。
いわゆるすスマホ首やストレートネットと言われる姿勢です。
この頚部前方突出は長時間のデスクワークやスマホの見過ぎなどが原因で頭部が前方にいき、頸椎の前弯アーチが失われて頸椎が真っ直ぐになってしまう状態のことです。
この姿勢では、先ほど説明した頸椎でのカーブがなくなるため、頭の重さ、重力を分散することができないため周りで支えている首や肩の筋肉の負担が増えてしまいます。
特に、前方突出タイプは頸椎の中でも上のほうは伸展(天井を見上げるほう)、下のほうは屈曲(地面を見るほう)しているため首の側方、後方にある筋肉は固まって短縮(上手く伸びない)してしまいます。
固まって短縮する筋肉
後頭下筋群(大後頭直筋、頭半棘筋など)、肩甲挙筋、斜角筋、胸鎖乳突筋
この中でも特に後頭下筋群、胸鎖乳突筋は筋肉が固まって起こる頭痛の原因になりやすいため頭痛で悩んでいる方はぜひ最後まで読んでくださいね。
③姿勢からくる首、肩こり 頚部後退パターン
この頚部後退パターンは一見、姿勢が良いように見えます。
特に多いのはバレリーナやアイススケーター、ダンサー、また昔から姿勢を良くしなさいと言われ続け、過度に姿勢を矯正してきた人たちに多い姿勢です。
この姿勢は先ほどの前方突出パターンと違い、顎を引いて首が垂直に伸びているような姿勢です。
ちなみになぜバレリーナやアイススケーター、ダンサーに多いタイプかと言いますとこの競技に共通するのはくるくると回転することです。
回転する時に少しでも抵抗を少なくして効率的に回転できるように頸椎でのS字カーブを少なくしていると考えられます。
この場合も前方突出パターンと同様に頸椎のS字カーブは少なく、首、肩周りの筋肉の負担が増えてしまいます。
頚部後退パターンの場合は、頚部前方の筋肉や頚部から背部にいく筋肉が短縮します。
固まって短縮する筋肉
頚部深筋群(頭長筋、頚長筋)、広頚筋、僧帽筋下部
ちなみにここまで頚部前方突出パターン、頚部後退パターンをご紹介してきましたがどちらともストレートネックです。
ストレートネックと聞くと頚部前方突出のことだと思っている人が多いと思います。
実際に患者さんと話していてもごっちゃになっている人多いです。
今回ご紹介したパターンのように首が後ろに引けていてもストレートネックになりますので周りで間違っている人がいればこれを読んでいるあなたが直してあげてください。
そんなことはさておき、さらに姿勢について深く考えていきましょう。
➃さらに深く姿勢を考える
ここまでご紹介してきた頚部前方突出パターン、頚部後退パターンのどちらもにも共通して言えるのが首だけが問題でこの姿勢になってはいないということです。
頚部前方突出パターンには胸椎後弯が強い、いわゆる猫背
頚部後退パターンには背中も真っ直ぐになるフラットバック
この胸椎(背中)のアライメント不良がセットになっていることがほとんどです。
頚部前方突出・猫背のパターン
これは頚部前方突出するためどこかでバランスをとらないといけなくなり、頸椎の下にある胸椎を後ろに引くことでバランスをとっています。
猫背の姿勢の欠点
・背中が丸まっているため背中の筋肉が常に伸ばされた状態
・肩甲骨が外に広がり、固定されることで肩の動きが制限されやすく肩の痛み、肩こりになりやすい。
また、肩甲骨が外に広がった状態は体を捻りづらくなり、スポーツをしている選手にとっては競技力の低下につながる。
頚部後退・フラットバックのパターン
頚部後退の方は先程もお伝えしたように無理に姿勢を正している方が多く、背中も背筋を伸ばしたようになり、胸椎の部分が真っ直ぐになってしまいます。
胸椎も頸椎と同じようにカーブがあるのですがそのカーブが失われ、頭の重さや重力が分散できない状態になります。
フラットバックの欠点
・常に胸を張っていて背中の筋肉を緊張させた状態のため背中の筋肉が固まりやすい
・肩甲骨を内側に寄せた状態で固まりやすく、肩甲骨を外に開く動きが制限されることで肩を動かす時に痛みが出る
このように首の痛み、肩こりを治していく上では、背中周りの姿勢を整えないと治らない
さらに他の肩の痛みや競技力の低下などにつながってしまうのです。
猫背パターンの方はこちらのコラムを読んでいただき、この中にある大胸筋リリース、大胸筋ストレッチ、腕立て伏せをやってみてください。
https://www.arch-treat.com/news/detail/375
フラットバックパターンの方はこちらのコラムを読んでいただき、この中にある胸椎多裂筋のリリース、キャット&ドッグをやってみてください。
https://www.arch-treat.com/news/detail/202
⑤まとめ
いかがでしたか?
自分の首、肩こりはどちらのパターンか当てはまりましたか?
当てはまった方は筋肉をほぐして、その筋肉を伸ばすストレッチ、そしてその筋肉をトレーニングしてダメな姿勢に戻らないようにしてみてください。
自分がどちらのパターンか分からない、もしくはどちらにも当てはまらないかもという方は一度お身体を診させてください。
あなたはこちらのパターンでこうなっているため痛みが出るんですということを伝えさせていただきます。
姿勢が悪いんだよね〜で片付けないで自分の姿勢に向き合ってみてはいかがでしょうか?
アスリート鍼灸整骨院 西島 勇気