アーチコラム 学生で腰の痛みに悩まされている、また分離症と診断されている方へ
こんにちは。
名古屋市緑区にあるスポーツラボ鍼整骨院に勤務している西島です。
私は鍼灸師とアスレティックトレーナーの資格を持ち、日々、学生アスリートや一般の方たちに治療、リハビリ、トレーニング指導を行っています。
今回は腰の痛み、特に「腰椎分離症」の可能性がある方に読んでいただきたい内容です。
腰椎分離症と診断されている方も読んで損はしない内容になっていますのでぜひ最後まで読んでいただければと思います。
目次
①腰椎分離症とは
腰椎(腰の背骨)の椎弓(椎間板と椎体をつなぐ部分)に疲労骨折が生じて、椎弓が分離した状態のことをいいます。
疲労骨折とは骨の同じ部位に繰り返しストレスがかかる事によって起こる骨折です。
腰椎分離症は骨が未発達な成長期のスポーツ選手に多く、前屈、後屈、腰の捻り、ジャンプなどの動作を繰り返すスポーツの過度な練習(オーバーユース)が原因となることが多いです。
②腰椎分離症を見分けるためのポイント
まず、腰椎分離症の症状として腰を反らした時や捻った時に限局した範囲の腰痛を訴えることが多いです。
そしてそのほとんどがスポーツ中やスポーツ直後で、このような症状が2週間以上続いている場合は腰椎分離症を疑います。
発育期のスポーツ選手で
・棘突起(腰椎疲労骨折の起こる場所)を押した時の痛み
・腰を反らした時の痛み
この2点が陽性であれば50%に近い確率で腰椎分離症であるとの報告もあります。
*先ほど、説明した限局した範囲とは腰椎分離症の場合、上の写真の赤の範囲に必ず痛みが出ます。
赤の部分に押した時の痛みや腰を反らした時の痛みが出ず、青や黄色の部分に痛みが出る場合は腰やお尻の筋肉や腰と骨盤をつなぐ関節(仙腸関節)の痛みなど他の原因が考えられます。
ここまで腰椎分離症の見分けるためのポイントをお伝えしてきましたがあくまで見分けるポイントです。
腰椎分離症を疑う場合は必ず、医療機関での画像診断を行うことが必要です。
なぜなら、腰椎分離症は分離の進行具合によって治療方法が変わってくるからです。
この図のように分離症の発見が遅れれば遅れるほど骨がひっつく確率は下がり、それにかかる時間も長くなります。
そのため早期発見・早期治療が重要なポイントになります。
医療機関での画像診断は大きく分けて3つです。
①X線
②MRI
③CT
まず、分離症を疑って検査するとき最初に行うのがX線(レントゲン)検査です。
*X線検査で分離症が発見された場合、それはかなり分離が進行している可能性がある時です。
X線で異常がなかった場合、MRIで急性期かどうかを調べます。
*分離症が起こっているのか早期発見のために必要となります。
CT検査は分離症の病期(初期、進行期、終末期)を判断するために使います。
例えば、MRIで白く光っていて、CTで亀裂が細い場合は初期、もしくは進行期前期で骨癒合の確率は大幅に上がります。
また、MRIで白く光っていないがCTで亀裂がある場合は炎症がない=急性期が過ぎているため進行期後期で骨癒合の確率は低くなります。
このようにMRI、CT検査をしないと分離症の状態が分からず、どのくらいの確率で癒合するのか判断がつかないのです。
MRI、CT検査のできない医療機関でX線検査をしたら骨に問題はなかった。
だから、そのままスポーツを行っていたが腰の痛みは続いている。
MRI、CT検査すると分離が進行していてもう治らない。
こんな方がいます。
分離症は骨癒合できる期間を逃してしまうともう治りません。
そうならないためにも分離症が疑わしい時は医療機関での画像診断をお勧めします。
③腰椎分離症の原因
生まれた時から先天的に分離していたという例は全くないわけではないが胎児の組織検査で134例調査し、1例も分離は発見されなかったという報告があるように分離症発生の原因は腰椎にかかるストレスの繰り返しによるものがほとんどである。
しかし、同じ練習をしていても分離症になる子とならない子がいるのはなぜでしょうか?
それは姿勢や体の使い方に問題があるからです。
どんな姿勢がいけないのか、体の使い方が悪いのか知りたい方はこちらのコラムをチェックしてください。
あなたに必要なストレッチ、トレーニングが見つかるかもしれません!
https://www.arch-treat.com/news/detail/348
https://www.arch-treat.com/news/detail/335
もう一つ、腰椎分離症の原因として考えられるものが年齢によるものです。
分離症の発症時期として多いのが10歳〜15歳です。
この時期は第二次性徴の時期であり、身長がぐんと伸びる成長スパートと言われています。
しかし、この時期は最も骨塩量が少なく、骨の強度が弱い時期となります。
つまり、骨の長さは長くなるが中身が詰まっていないためこの時期に腰椎疲労骨折、腰椎分離症が発症しやすいということです。
そこで大事なのが食事からアプローチすることです。
それにより、第二次性徴期の腰椎疲労骨折、腰椎分離症の発症リスクを減らすことができます。
まず、人は食事から得たエネルギーを心臓を動かしたり、呼吸をしたりして生きるために使います。
その後、運動などで使うエネルギーとして消費し、その残ったエネルギーが身長を伸ばしたり、骨を作るためのエネルギーとなります。
つまり、運動量も多くなる+身長の伸びも大きい時期に糖質からのエネルギーが不足すると骨を作るためのエネルギーが足りず、骨の強度が弱くなり、疲労骨折につながってしまいます。
骨を作るためにカルシウムを摂りなさいとよく言われますがカルシウムが足りていてもエネルギー量が足りないと骨は弱くなってしまうのです。
食事からのアプローチについて気になった方は、当社には管理栄養士がいますのでお気軽にご相談ください。
④最後に
今回、読んでいただいた方が少しでも腰椎分離症に興味を持ってくれればと思い、書かせていただきました。
私も学生時代に腰椎分離症の初期と診断された経験があります。
その時は早く治したくてインターネットで腰椎分離症について調べたり、先生に色々なストレッチやトレーニングを教えてもらい、実践していました。
分離症を発症してしまった選手はもちろん、まだ発症していないがなることが怖い選手もやれることはたくさんあります。
・何をしたらいいか分からない
・そもそも自分の体の特徴を知らない、知りたい!
そんな方はぜひご相談ください。
少しでも長く楽しくスポーツができるお手伝いをさせていただきます!
ご精読ありがとうございました。
スポーツラボ鍼整骨院 滝ノ水
西島 勇気